アパシーになりやすい人

アパシーになりやすい人

アパシーシンドロームというのは、仕事や学業のストレスを回避するために身体が無気力状態となったものの、その状態から抜け出せなくなる症状をいいます。

 

仕事や学業のストレスと言うのは、日常生活の中でほとんどの人が受けるものですが、全ての人がアパシーシンドロームに陥るわけではありません。

 

ではなぜ、アパシーシンドロームに陥る人とそうでない人とで別れるのでしょうか。アパシーシンドロームに陥りやすい人がどういう状況にあるのか問題となります。

 

身体はストレスを感じると、当該ストレスから逃れようと何らかの行動を行うものです。

 

ストレスを感じた学業や仕事について無気力になれば、一時的にストレスを感じなくなることができます。

 

しかし、このストレスがあまりに大きいものであったり、環境上ストレスがあまりに長く継続するものであったりする場合、無気力状態から抜け出せなくなってしまいます。

 

したがって、このような状況下に置かれやすい人が、アパシーシンドロームに陥りやすい人ということになります。

 

ストレスの大小は、その人の性格によっても変わってくるものです。

 

たとえば、何事にも妥協しない人にとっては、通常はストレスをあまり感じない小さなミスでも、大きなストレスを感じることでしょう。

 

このような人が仕事で上手くいかないことが続くと、大きなストレスとなって、仕事について無気力でいたいと願うことが多くなるはずです。

 

日頃から他人よりも何かとストレスを感じやすい人というのは、アパシーシンドロームに陥りやすいといえます。

 

またストレスの大小は、その人が置かれた環境によっても変わってくるものです。

 

高校生活が居心地の良いものであった人にとって、これまでの環境を捨て、大学に進学したり就職したりすることは、周りの環境に大きな変化が生じることになり、その変化が大きなストレスをもたらします。

 

あるいは、就職によりこれまで学生であった人が、社会人となるときも、同様の環境の変化によるストレスが生じるでしょう。

 

したがって、これらのような人生の過渡期に置かれている人と言うのは、アパシーシンドロームに陥りやすい状況にあるということができます。

 

ストレスの回避方法として、無気力となること以外の方法がある人は、アパシーシンドロームになりにくいということができます。たとえばスポーツが趣味である人にとっては、スポーツをすることでストレスを発散することができるため、あえて無気力になる必要はないのです。

 

したがって、そのようなストレス発散の手段を持ち合わせていない人は、アパシーシンドロームに陥りやすい人ということができます。

 

また、無気力状態からの脱却をサポートしてくれる人が周りにいるかどうかも、アパシーシンドロームに陥りやすいかどうかに関わってきそうです。

 

もっとも、アパシーシンドロームというのは、ストレスの原因になっている仕事や学業以外の事柄については意欲的に行動することができるため、そもそも周りからのサポートを受けづらいということにも注意すべきでしょう。

 

こうしてみてみると、アパシーシンドロームに陥りやすい人というのは、人よりもストレスを感じやすく、生活環境に大きな変化が生じる状況下にあり、これといったストレス発散方法を持ち合わせていない人であるということができます。⇒アパシーの治療法