アパシーの症状

アパシーの症状

アパシーシンドロームにいう、「アパシー」とは無関心、無感動を意味する言葉です。

 

物事に対して無関心となることは、通常の生活においても起こり得ることですが、アパシーシンドロームに罹患した場合、日常生活に支障が生じることになります。

 

では、アパシーシンドロームとは、どのような症状をもたらすものなのでしょうか。

 

アパシーシンドロームに罹患した人は、学業や仕事に対して無関心になります。

 

より具体的にいうと、学業や仕事に取り掛かる意欲がなくなり、倦怠感を感じ、その時間はただボーっと過ごしたり、趣味や他に興味のあることに取り組んだりします。

 

なぜ学業や仕事に関する事柄にだけ無関心になるのかというと、アパシーシンドロームとは、人が自らのストレス回避行動から抜け出せなくなったものであり、学業や仕事に関する事柄がストレスの原因であることが多いからです。

 

どこかやる気が出ないという症状は、うつ病などの精神疾患とも類似していますが、アパシーシンドロームの場合、特に自分が精神的に問題を抱えているという事実に気付かないことが多い点が特徴的だといえます。

 

日常生活全般にやる気がなくなるうつ病とは異なり、アパシーシンドロームの場合には、ストレスの原因になっている学業や仕事のみに無気力となって、他の生活行動には意欲的に取組めるため、特に自分の異常性が目立たないからです。そうすると、アパシーシンドロームを治療しようと考える契機が少なく、治療プロセスになかなか移行しないということになります。ここがアパシーシンドロームの厄介な点です。

 

アパシーシンドロームによってもたらされる学業や仕事に対する無気力症状は長期間に及びます。しかし、その期間にも周りの環境は変化していきます。

 

学業や仕事に関する環境は特に目まぐるしいスピードで変化していくため、無気力になっているうちに、どんどんその変化についていけなくなってしまいます。そうすると、学業や仕事を復帰するのにさらに多くのストレスがかかることになり、アパシーシンドロームの治療が進まない間に回復がどんどん困難になっていってしまうのです。

 

つまり、アパシーシンドロームに陥ると、自覚のないままに症状が継続し、社会復帰が困難となってしまうのです。

 

このようなアパシーシンドロームの特徴に加え、周りのアパシーシンドロームへの理解が足りないことから、ただの怠け者と言われたりすることで、症状が悪化してしまうことがあるため注意が必要です。
⇒アパシーになりやすい人